□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年5月10日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米作付遅延も天候は改善見通し / ウクライナに世界から断絶した穀物が蓄積 =================================== <コーンの作付に遅れ残るも、天候は改善傾向に> 米農務省(USDA)は、5月9日のシカゴ取引終了後に最新の「クロップ・プログレス」を公表した。同報告では、5月8日時点の作付け進捗率について、トウモロコシは前週比8%上昇の22%(前年同期64%、平年50%)、大豆は同4%上昇の12%(前年同期39%、平年24%)となっており、依然として大幅な遅れが生じた状態にあることが確認できる。トウモロコシの場合だと、5月1日時点で前週比7%上昇の14%であり、5月入りしてからは天候改善による作付けペース加速への期待感を織り込んだものの、実際には停滞状態から抜け出せていなかったことが確認できる。 主要生産地だと、アイオワ州は前週比5%上昇の14%、イリノイ州は同8%上昇の15%、ネブラスカ州は同11%上昇の39%、ミネソタ州は9%、カンザス州は同11%上昇の46%となっている。南部では作付け作業がある程度は進展しているが、北部は依然として厳しい作付け環境にあることが示されている。特に、ノースダコタは1%、オハイオは同2%上昇の5%など、北部は作付け作業が漸く始まったか否かの段階に留まっている。… … …(記事全文4,627文字)