□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年5月6日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== EUのロシア産禁輸に対応しないOPEC、米国は「NOPEC法案」を持ち出す =================================== <EUのロシア産原油禁輸まで残り8カ月> 石油輸出国機構(OPEC)プラスは5月5日に開催した閣僚級会合において、6月の生産目標を前月比で日量43.2万バレル引き上げた。増産対応は継続されるが5月と同じ増産幅であり、従来通りに原油需給ひっ迫リスクに対しては特段の対策を講じないことになる。協議時間は15分程度と報告されており、特に協議するような事項は存在しなかったことが窺える。原油市場は大きな不確実性を抱えているが、あくまでも従来の計画に沿った形で協調減産の解消(=増産)を進めるのみであり、政策調整の議論さえ殆ど行われていない状況にある。 この前日の5月4日には、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長が、ウクライナへの侵攻を続けるロシアに対する追加制裁案を発表した。ロシア産原油の輸入を年内に停止する他、ロシア銀行最大手ズベルバンクを国際決済網SWIFTから排除することも盛り込んだ。… … …(記事全文3,262文字)