□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年4月6日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 天然ゴムは年初来高値を更新、上海ロックダウンでも無視できない季節要因 =================================== <産地相場高主導で年初来高値を更新> 天然ゴム相場の上昇傾向が維持されている。JPX天然ゴムRSS先物相場は、4月4日高値が1㎏=275.10円に達し、2021年3月以来の高値を更新している。ウクライナ情勢を巡る先行き不透明感からコモディティ市場は全般的に不安定な値動きを迫られているが、ゴム相場に関してはほぼ一本調子の値上がり傾向が続いている。 こうした上昇地合の背景にあるのは、極めて単純だが「減産期」の季節要因である。日本は桜が満開となり、葉桜に移行するこの時期だが、東南アジアだと乾季のピークになる。乾季は十分な土壌水分を得られないため、天然ゴムの樹木はウインタリング(落葉期)といって葉を落とすことで、乾季を乗り切ろうとする。日本の冬場に広葉樹の葉が落ちるのと、基本的な理解は同じである。この時期も天然ゴムの樹木がなくなる訳ではないため、一応はタッピング(ゴム樹液の採取)を行うことも可能である。しかし、十分な樹液が出る訳ではないため、積極的に収穫作業は行われなくなる。… … …(記事全文3,780文字)