□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年3月30日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米ロの金取引を巡る攻防が激化、米国はドルに続いてロシアとの金取引も禁止 =================================== <米国がロシア公的部門の金を制裁対象に> 米財務省は3月24日、対ロシア制裁に関する質疑応答の形で、ロシアとの金取引が禁止されていることを確認した。ロシアに対する一連の制裁命令において、「米国民は、ロシア中央銀行、国営ファンド、財務省との間で、いかなる形態でも金取引はできない」としている。これは金のディーラー、卸売業者、個人トレーダー、金融機関なども含むとされており、ロシアの公的部門との金取引は全面的に禁止されることになる。過去に米政府はロシアに対して様々な制裁措置を導入してきたが、金取引の規制は歴史上初めてとみられている。 財務省はこの理由として、ロシアが制裁を回避するために様々な手段を講じており、金関連取引がその抜け道になっていると解説している。既に米政府はロシア中央銀行、国営ファンド、財務省とのドル取引を禁止する制裁を行っているが、ロシアが金売却の形でドルを入手している可能性が指摘されていた。このため、少なくとも米国民がロシアとの金取引に関与することを規制することで、ロシアが金準備資産をドルを含む法定通貨に交換する動きに歯止めを掛けることを目指す模様だ。… … …(記事全文3,376文字)