□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年3月29日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== OPECはロシアとの協調政策を選択、西側の「正義」に与することはない =================================== <原油相場急落シナリオとしてのパンデミック> 3月28日のNYMEX原油先物相場は、1バレル当たりで前日比7.94ドル安(7.0%安)の105.96ドルと急落した。中国における新型コロナウイルスの感染拡大が、原油需要に対する大きなリスクと評価された結果である。ロシア産の供給不安を背景に3月24日には116.64ドルまで値上がりしていた相場が、その後の僅か2営業日で10ドル幅の急落となっている。上下双方に異常とも言える高ボラティリティ環境が続いている。 中国では新型コロナウイルスの感染被害が抑制された状態が続いていたが、2月下旬に香港で突然に感染被害が急拡大した。習近平国家主席は、あらゆる措置で対処せよと厳命し、本土から投入された感染症の専門家は「ゼロコロナ」戦略が最も効果的として、ロックダウンに踏み切ることで感染拡大にブレーキを掛けた。しかし、3月に入ると13日に広東省深セン市で14~20日まで1週間のロックダウンが導入され、更に28日には上海でもロックダウンが導入されることになった。上海市の場合は東西に分けて、東側は3月28日~4月1日、西側は4月1~5日まで、それぞれ5日間にわたってロックダウンを実施することになる。… … …(記事全文3,528文字)