□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年3月24日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 黒海へのパイプラインが操業停止、ロシアが原油を武器化し始めたリスク浮上 =================================== <カザフスタンのパイプラインが操業停止> ロシア産とカザフスタン産の原油を黒海沿岸のロシア都市ノボロロシースクに向けて送油するための「カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)」の稼動が完全に停止した。22日の段階で悪天候によるプラットフォームの破損が報告されており、ロシアのタス通信は日量100万バレルの供給が1.5~2.0カ月停止する可能性を報じていた。この段階ではまだ漠然としたリスク要因に留まっていたが、23日にはロシアのノバク副首相が今後2カ月にわたって完全停止する可能性があると報告したことで、原油相場に緊張感が走った。 同パイプラインは日量120万バレルの送油能力を有しており、同地区の原油流通において鍵となる役割りを果たしている。カザフスタン産の約3分の2が同パイプライン経由で輸出されており、ロシアの油田からの供給も行われている。仮にノバク副首相の言うように2カ月にわたって操業が止まると、累計で7,200万バレルもの供給が落ち込むことになり、国際原油需給に対して大きな歪みが生じる可能性が高まる。… … …(記事全文4,135文字)