□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年3月23日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== ウクライナ農業相は春の作付面積急減を警告、戦闘続けば問題は更に深刻化する =================================== <出荷難から作付難にステージが切り替わる時> 2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻してから、間もなく1か月を迎えようとしている。ロシアのウクライナに対する大規模な軍事侵攻が予想外だったことに加えて、その後の戦闘状態の長期化も予想外であり、マーケットは侵攻開始前の緊張状態も含めると1か月以上にわたってウクライナ情勢に振り回される展開が続いている。 穀物市場においては、当初はウクライナとロシアの両国からの出荷難のリスクとしての消化が進んでいた。両国は北半球で有数の穀倉地帯に位置しているため、小麦や大麦、トウモロコシ、菜種、ヒマワリなどの広範囲にわたる穀物や植物油の供給リスクが相場を大きく押し上げた。一つは対ロシア経済制裁によるロシア産の出荷難であり、これは貿易決済や輸送インフラの制約といった形で、リスクプレミアムの加算を促した。もう一つはウクライナの戦闘状態による物理的な供給障害であり、ウクライナの穀物輸出業務の停止、更には黒海経由の世界に向けた穀物タンカーの運航停止といった形で、更にリスクプレミアムの加算を促していた。… … …(記事全文3,575文字)