□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年3月22日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== EUもロシア産原油の禁輸を検討する一方、サウジアラビアではフーシ派の攻撃続く =================================== <米国に続いてEUもロシア産原油禁輸か?> 原油相場が改めて騰勢を強めている。NYMEX原油先物相場は3月7日の1バレル=130.50ドルで上げ一服となり、15日の93.53ドルまで僅か7営業日で最大36.97ドル(28.3%)の急落地合を形成していた。しかし、その後はV字型の切り返しを見せており、足元では110ドル台を回復する展開になっている。 高値からの急落地合に関しては、1)短期的な過熱感が警戒される中で、2)ウクライナ停戦合意への期待感が浮上したことが、持ち高調整を誘った結果だった。3月14日に始まった4回目の停戦協議については、ウクライナとロシアの双方の交渉担当者から数日以内に停戦合意が実現する可能性が示されていたことで、マーケットも当面の戦闘状態は収束に向かうとの見方を織り込んでいた。これで直ちに原油供給環境が正常化する訳ではないが、少なくとも「戦闘激化→制裁強化」の流れには歯止めが掛かり、原油市場を取り巻く不確実性がある程度は緩和されるとの見方が、原油相場の上値を圧迫していた。これは貴金属、金属、穀物相場などにも共通する値動きであり、2月24日のロシア軍によるウクライナ侵攻を受けて構築された短期筋のポジションが持高調整を迫られた。… … …(記事全文4,386文字)