□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年3月8日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 2,000ドル台に到達した金相場、ウクライナ危機で「ポスト冷戦」時代の終わりか =================================== <セオリー通りの動き、セオリーを否定する動き> ウクライナ情勢が緊迫化する中で、金相場は連日の急伸地合となり、COMEX金先物相場は3月7日の取引で1オンス=2,000ドル台を回復した。2,000ドル台回復は2020年9月以来のことであり、金相場の歴史上で20年7~9月の3か月しか経験したことのない高値水準になる。20年8月の過去最高値2,089.20ドルまでは依然として大きな距離が残されているが、過去最高値圏の取引環境と評価しても問題がない値位置に到達している。 2月24日にロシアがウクライナに侵攻した前後の金相場の値動きについては、セオリー通りの値動きと、セオリーに従わない値動きとがあった。まずウクライナ情勢の緊迫化が警戒される過程で金相場が大きく値上がりし、ロシアのウクライナ侵攻が伝わった直後に1,976.50ドルまで急伸した一方、その週の週末は1,900.70ドルまで軟化したのはセオリー通りだった。「有事の金買い」は、有事の具体化する前に活発化し、実際の有事発生後は瞬間的に金価格は一段高を試すも、その後は材料出尽くしから軟化するのがセオリーである。今回もこのセオリー通りの値動きがみられた。… … …(記事全文3,768文字)