□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年3月7日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== ウクライナ危機でコモディティ相場は急伸も、天然ゴムとコーヒーが軟化した事情 =================================== <原油急騰でも天然ゴムやコーヒーは軟調> ウクライナ情勢の緊迫化が、マーケット全体に極端な緊張状態をもたらしている。ウクライナとロシアの圧倒的な戦力差からは、2月24日のロシアのウクライナ侵攻開始で材料出尽くしとの評価が広がる場面も見られたが、実際には3月7日時点でも激しい戦闘が続いており、先読みが難しい状況になっている。ロシア軍のプレゼンスが低下する中、7日にはイスラエルがシリア首都を空爆している。また、合意間近と見られていたイラン核協議では、ロシアがイランを経済制裁の抜け道として活用するための新たな要求を行い、こちらも先行き不透明感が高まっている。 ウクライナ情勢の緊迫化はコモディティ価格の急騰を促しており、いかに世界がロシアとウクライナに強く依存した状態にあったのかを再確認させている。世界各国が脱炭素目標を掲げる中、原油や天然ガスといった化石燃料の存在も軽視されがちだったが、世界はロシアからの供給不安に敏感に反応しており、逆説的ではあるが脱炭素目標の達成が極めて困難かつ実現可能までは大きな距離が残されていることが確認されている。… … …(記事全文3,868文字)