□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年3月4日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 穀物相場の鎮静化に求められること、最悪のシナリオは何か? =================================== <ウクライナ停戦合意だけでは、全ての問題が解決しない> ウクライナ情勢を取り巻く緊張状態は、エネルギー危機を引き起こす一方、食料危機も引き起こしつつある。エネルギー価格とは異なり、食料価格は原材料価格の高騰がエンドユーザーに波及するまでにタイムラグが存在するために一般メディアの関心は高まっていないが、エネルギー危機に匹敵する大きな混乱が発生する兆候がみられる。 CBOT穀物先物相場だと、トウモロコシが2012年10月、小麦が08年3月、大豆が12年9月以来の高値を、それぞれ更新している。いずれも過去最高値更新を見据えた状態になっている。中心限月の年初からの最大上昇率は、トウモロコシが30.1%、小麦が56.9%、大豆が26.9%となっており、特に小麦相場は僅か2カ月強で1.5倍の価格水準に到達している。これは、WTI原油の55.0%高を上回っており、価格変動の激しさという意味では、原油よりも小麦相場の方に大きなショックが発生している。… … …(記事全文3,802文字)