□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年2月18日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== ボラティリティが高まる原油相場、二つの地政学リスクを同時に消化中 =================================== <原油相場のボラティリティが高まるロジック> 原油相場のボラティリティが著しく高まっている。2月のNYMEX原油先物相場は、月初の1バレル=88.15ドルから2月14日の95.82ドルまで急伸したが、足元では91ドル水準まで急反落している。1日の値幅は、1月が平均で2.51ドルだったのに対して、2月は17日時点で3.33ドルとなっており、32.8%拡大している。特に11日は高値94.66ドルに対して安値89.19ドルとなり、5.47ドルもの値幅を記録している。 2月22日に3月限の取引最終日を控えて持ち高調整のニーズが高まっている影響もあろう。ウクライナ情勢の緊迫化は期近限月に対するプレミアム加算を加速させているが、2月17日時点だと3月限の91.76ドルに対して4月限は90.04ドル、5月限は88.19ドルとなっており、保管コスト等を考慮すれば明らかな異常値が形成された状態にある。昨年以降、当限の取引最終日前後は値が飛び易くなる傾向がみられるため、今後数日は特に極端な高ボラティリティ環境を想定しておく必要があり、特に持高調整の動きが下向きに働くと、値が飛び易くなる。… … …(記事全文3,573文字)