□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年2月15日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 40年ぶりの高インフレ環境、米金融政策への不信感を引き受ける金相場 =================================== <地政学リスクはあくまでも一時的要因> 安全資産である金価格の上昇傾向が強くなっている。COMEX金先物相場は、年初の1オンス=1,830.10ドルに対して2月15日高値は1,881.60ドルに達しており、昨年6月11日以来の高値を更新している。JPX金先物相場も、年初の1グラム=6,643円に対して、2月15日の取引では6,962円まで値上がりしている。パンデミックの混乱がピークに達した2020年8月高値7,032円に迫る展開になっており、既に過去最高値圏まで高騰が進んでいる。 直接的なきっかけは、ウクライナ情勢の緊迫化だ。ロシアのウクライナ侵攻が現実的な脅威として警戒される中、国際政治経済環境の先行きに大きな不透明感が広がっていることが警戒されている。近年は、北朝鮮のミサイル発射と言った地政学リスクに対して、金相場は目立った反応を示さない傾向が強くなっている。しかし、ロシアは核兵器も保有する軍事大国であることに加えて、各種資源の主要生産国とあって、欧米諸国とロシアとの対立が先鋭化していることは無視できない状況になっている。… … …(記事全文3,622文字)