□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年2月14日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 100ドルに迫るWTI原油、恐怖に支配されたマーケットの行方 =================================== <今週中にもロシアがウクライナ侵攻か> NYMEX原油先物相場は、1バレル=94.94ドルまで上値を切り上げる展開になっている。2月3日に90ドルの節目を突破したばかりだが、早くも95ドルの節目が意識される展開になっている。100ドルまで残り5.06ドルであり、2014年9月以来の高値を更新している。 背景にあるのは、ウクライナ情勢の緊迫化である。現状ではウクライナ情勢に起因した供給障害は一切発生していないが、「ロシアのウクライナ侵攻→欧米の対ロ経済制裁→エネルギー需給混乱」のリスクを織り込む展開が続いている。現実の供給障害を伴わない地政学リスクのみでここまでの急伸地合を形成することの妥当性については議論もあるが、今年はただでさえ拡大する需要に供給環境が対応できるのか不透明感を抱えた状態が強く警戒されているだけに、ロシア産エネルギー供給が大幅に落ち込む事態に陥るリスクが、原油相場を強く刺激している。… … …(記事全文3,715文字)