□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年2月9日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== ウクライナ情勢とイラン核協議が交錯する原油相場 =================================== <イラン核協議は、結論を出す局面に> NYMEX原油先物相場は、2月4日高値の1バレル=93.17ドルに対して、8日の取引で前日比1.96ドル安の89.36ドルと急落し、足元では89ドル台後半での取引になっている。前週はウクライナ情勢の緊迫化を背景に上値追いの展開が続き、90ドルの節目を完全に上抜く展開になっていた。しかし、短期的な過熱感が警戒されるタイミングで、イラン核協議に新たな動きがみられる可能性が浮上する中、短期筋の利食い売りが上値を圧迫している。 2015年7月にイランと6か国(米英仏独ロ中)は、イランの核兵器開発を大幅に制限する合意を結んだ。イランの核・ミサイル開発が地域の軍事的なパワーバランスを歪め、米本土も核攻撃の射程に含まれる可能性が浮上する中、国際協調を目指すオバマ米大統領(当時)と、国内経済の疲弊に苦しむ穏健派のロウハニ大統領(同)が関係改善を図り、多国間の合意にこぎつけていた。… … …(記事全文3,577文字)