□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年2月4日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== WTI原油が90ドルを突破した論理、供給障害を伴わない地政学リスクのみで急伸 =================================== <供給リスクに敏感な地合が続くことを予告している> NYMEX原油先物相場は、2月3日の取引で1バレル=90ドルの節目を突破した。昨年10月8日に80ドルを突破した後は、1)消費国の備蓄放出議論、2)「オミクロン」の感染拡大、3)2022年の供給過剰見通しなどを背景に調整売り優勢の展開になっていたが、80ドル突破から約4カ月をかけて90ドル台乗せを達成した格好になる。原油相場の90ドル台は2014年10月に記録したのが最後だが、いよいよ100ドルの節目まで10ドルを切る状態になっている。100ドル台だと14年7月が最後であり、いよいよシェール革命以前の価格水準が見え始めている。 原油相場を長期トレンドとしてみると、2008年に世界同時金融危機の混乱がみられたものの、その前後は概ね100ドル水準が通常の価格水準として受け入れられていた。産油国、消費国、石油会社のいずれもが納得できる価格水準として、100ドルは通常の価格水準と評価されていた。… … …(記事全文3,402文字)