□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年1月25日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 金ETF投資残高が急増、安全資産への投資ニーズが再燃か =================================== <金ETFの投資残高が急増している> 金相場が徐々に値上がりしている。COMEX金先物相場は、年初の1オンス=1,830.10ドルに対して、1月20日高値は1,848.50ドルに達しており、昨年11月22日以来となる約4カ月ぶりの高値を更新している。1月25~26日に今年最初の米連邦公開市場委員会(FOMC)開催を控える中、マーケットではインフレ対応で米金融政策が急激な正常化、引き締めの方向に転換していく可能性が強く警戒されているが、金相場はこうした議論は関係ないかのように、底固さを見せている。 象徴的なのは、金上場投資信託(ETF)市場に対する資金流入の動きだろう。最大の金ETFである「SPDR GOLD SHARES」の投資残高は、1月24日時点で年初から32.79トン増加している。まだ1月末の数値は確定していないが、仮に現在のまま投資残高を維持すると、これは2020年7月以来の大規模な資金流入が行われたことを意味する。投資残高は昨年末の975.66トンから1,008.45トンまで増加しているが、これは昨年8月20日以来の高水準である。昨年9月以降は1,000トン割れが常態化していたが、1,000トンの節目を回復した心理的なインパクトも大きいだろう。… … …(記事全文3,701文字)