□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年1月18日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米利上げ、資産売却の議論を高値で消化する金相場/WGCの2022年展望は? =================================== <年3~4回の利上げ織り込みでも崩れない金相場> COMEX金先物相場は、1オンス=1,800ドル台前半でやや底固い展開になっている。年初の1,830.10ドルから1月7日の1,781.30ドルまで急落していたが、その後は1,810~1,830ドルのレンジまで切り返している。米金融政策正常化の議論が一気に進展しているが、改めて大きく値を崩すことはなく、一定の底固さを示すことに成功している。急伸地合を形成している訳ではないが、値下がりを拒否していることは高く評価できよう。 年明け直後の1月5日には、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月14~15日開催分)で、当局者が従来予想されていたよりも早期の利上げ、更には資産売却が行われる必要性について議論していたことが確認された。このため、マーケットは2022年中の利上げ回数が、3回に留まらず4回に達するリスクさえも織り込み始めた。昨年12月FOMCで当局者が示した予想では、22年中の利上げ回数の中心意見は3回だったため、マーケットも想定以上に強いトーンでタカ派の議論が展開されていることを警戒して調整売りを進めていた。ゴールドマン・サックスなど大手金融機関が22年中の利上げ回数見通しを3回から4回まで引き上げる動きを活発化させた影響もあろう。そこで形成されたのが年初来安値1,781.30ドルだった。… … …(記事全文4,003文字)