□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年1月12日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== パウエルFRB議長は多くを語らず、金相場は高値圏で政策正常化の議論消化中 =================================== <新たな情報提供が乏しかったパウエル証言> パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は1月11日、上院の再任承認に向けた公聴会で証言を行った。1月5日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月14~15日開催分)がタカ派になったとの評価から、今回の公聴会はその流れを一段と加速させる内容になるか否かが注目されていた。しかし、結果的にはサプライズ感の乏しい内容との評価から米長期金利は一段と上昇するのが見送られ、逆に小幅ながら低下している。ドルに対しては売り圧力が強まり、その流れから同日のCOMEX金先物相場は1オンス当たり前日比19.70ドル高の1,818.50ドルと急伸し、1月7日の直近安値1,781.30ドルから大きく切り返す展開になった。 パウエル議長は公聴会において、「年内に利上げを開始」、更に「恐らく年後半に保有資産の縮小を始めるだろう」と発言している。ただ、利上げの開始時期については言及を避け、保有資産の縮小についても過去の正常化局面と比較すると「より早期かつ早いペース」で進められる公算が大きいとしたが、踏み込んだ言及は行われなかった。テーパリング(資産購入縮小)が終了した後の金融政策については、「まだ何も決定していない」との優等生的な回答に留まっており、金融政策を巡る議論に新たな情報が提供されたとは言い難い。… … …(記事全文3,969文字)