□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年1月4日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 2022年の原油相場の論点 ~上げ一服で高止まりへの移行が基本シナリオも~ =================================== 2022年の原油相場は、在庫の急減傾向にブレーキが掛かり、価格環境が安定化に向かう展開がメインシナリオになる。需要回復傾向が続くものの、供給拡大とのバランスが取れ始め、在庫水準が更に大幅に減少することは回避され、急騰地合一服後の高止まりに移行する可能性が高い。ただ、供給サイドには依然として大きな不確実性を抱えた状態にあり、需要拡大に対する増産対応が順調に進まない場合には、急騰地合が再現されるリスクを抱えており、その可能性も決して低くはない。 国際エネルギー機関(IEA)によると、世界石油需要は2021年が前年比で日量540万バレル増だったのに対して、22年は330万バレル増が見込まれている。石油輸出国機構(OPEC)によると、21年が565万バレル増に対して22年は415万バレル増が見込まれている。IEAよりもOPECの方が需要拡大圧力に対して楽観的と言えるが、それでも需要の伸びが減速していくのは確実な情勢にある。… … …(記事全文3,338文字)