□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年12月20日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 改めて気候変動問題に直面するシカゴ穀物、ラニーニャ現象が混乱引き起こす =================================== <アルゼンチンの天候リスクが急浮上> 原油価格の高騰が一服する中、シカゴ穀物市場ではトウモロコシと大豆相場がじり高の展開になっている。CBOTトウモロコシ先物相場の3月限は、11月30日の1Bu=562.50セントを直近ボトムに12月17日高値は598.75セントに達し、8月12日以来の高値を更新している。大豆先物相場の3月限も12月1日の1,223.50セントをボトムに17日高値は1,298.25セントに達し、11月17日以来の高値を更新している。ともに新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」の報告で11月末から12月初めにかけて急落していたが、着実に地合を引き締めており、特にトウモロコシ相場は約4カ月半ぶりの高値を更新している。 要因の一つとして指摘されているのが、南米(特にアルゼンチン)の天候リスクだ。今季は作付け期の降水量が安定していたため、南米産の生産動向に関しては、穀物相場に対してネガティブな評価を求められる環境にあった。ブラジルとアルゼンチン、トウモロコシと大豆でいずれも大規模な増産が予想されているが、大きな天候リスクの浮上なくして作付け期を無難に消化したことで、輸出入市場における米国産との競合が警戒される状況になっていたためだ。… … …(記事全文3,571文字)