□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年12月15日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== IEAは供給過剰への移行を予想、原油在庫積み増しと投資不足問題の綱引きへ =================================== <OPECとIEAは「オミクロン」の影響軽微と評価> 12月13日に石油輸出国機構(OPEC)、14日に国際エネルギー機関(IEA)がそれぞれ、今年最後の月報を発表した。焦点の一つは新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」の需要見通しに対する影響になるが、OPECは「軽度かつ短期的(mild and short-lived)」なものに留まるとの見方を示している。 世界は「新型コロナウイルスやそれに関連した挑戦に対して、対応できる状況になっている」として、新たな変異株が石油需要見通しに与える影響は従来ほどには大きくならないとしている。世界石油需要見通しは、2021年が日量19万バレル、22年が20万バレル、それぞれ「上方」修正されている。21年7~9月期は23万バレル下方修正しているが、22年1~3月期は111万バレル上方修正されている。すなわち、パンデミック関連の動きによって需要回復の時間軸が先送りされるが、年間を通じた需要見通しに関しては、寧ろ強気に傾斜しているとの評価になる。… … …(記事全文4,121文字)