□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年12月13日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米消費者物価指数や約40年ぶりの高水準に、それでも動かない金相場の論理 =================================== <高まり続けるインフレの脅威> 11月米消費者物価指数ではインフレ圧力が一段と強くなっていることが示されたが、マーケットは総じて冷静に消化している。前年比だと、総合で6.8%上昇(前月は6.2%上昇)、コアで4.9%上昇(同4.6%上昇)となっており、マーケットにインフレリスクの織り込みを迫った10月統計よりも更に強いインフレ圧力の発生が示されている。食品が6.1%上昇、エネルギーが33.3%上昇となった他、衣料品が5.0%上昇、新車が11.1%上昇、中古車が31.4%上昇、住居が3.8%上昇、医療サービスが3.5%上昇、輸送サービスが3.9%上昇などとなっている。エネルギー価格の急騰、その余波に留まらず、広範囲にわたるインフレ圧力の強さを認めざるを得ないが、食品とエネルギーを除いたコアでも4.9%上昇は、深刻に受け止める必要がある数値である。 総合だと1982年6月以来となる39年5カ月ぶりの高い伸び率である。今年は3月に米連邦準備制度理事会(FRB)のターゲットとする2%を上回ったが、5月以降は7カ月連続で5%超の伸びが続いている。コアでも1991年6月以来となる30年5カ月ぶりの高い伸び率になっている。こちらは6カ月連続で4%超の伸びが続いている。… … …(記事全文4,360文字)