□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年12月1日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米金融政策は変異株に対応せずテーパリング加速へ、金価格の急伸シナリオは見送り =================================== <変異株に金融政策反応なら急伸したが> 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」が世界経済に大きな不確実性をもたらす中、それが米金融政策に与える影響も注目されている。 「オミクロン」発生前は、多くの米連邦準備制度理事会(FRB)当局者からインフレ対応に対する積極姿勢が示されていたことで、テーパリングの前倒し、早期利上げの流れを織り込む動きが優勢になっていた。シンボリックだったのは、バイデン大統領がパウエル議長の再任を指名した直後の記者会見であり、インフレに取り組む姿勢を強調したことで、12月14~15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金融政策正常化の加速が議論することが確実視されていた。しかし、「オミクロン」が仮に米国でも猛威を奮う事態になれば、対面のサービス業を中心に雇用が大きく損なわれるのは確実であり、インフレ対応のみで政策正常化を加速させることが妥当なのかは、当然に疑問の声もあがり易くなる。… … …(記事全文3,599文字)