□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年11月15日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== インド砂糖の余剰在庫、農家支援、脱炭素、原油高対策としてのエタノール =================================== <原油高への不満と現実> 原油相場の水準が大きく切り上がったことを受けて、消費国サイドの動きも活発化し始めている。現在の値位置は2014年前と比較すると必ずしも異常な安値という訳ではないが、昨年の低迷状態からの上昇ペースがあまりに早いことで、世界経済に対する大きなリスク要因になりつつある。交易条件悪化はもちろん、インフレ圧力の強化、更には個人消費や企業活動に対しても大きな影響を与える可能性があるだけに、消費国サイドからは対応を求める声が強くなっている。 とは言っても、原油消費量を短期間に抑制することは現実的ではなく、消費国サイドに有効な対抗策が数多く存在している訳ではない。本当に原油高が危機的状況にあるのであれば、産油国が増産対応を行うべきだが、石油輸出国機構(OPEC)プラスは来年にかけて協調減産体制を維持する意向を示している。パンデミックの影響が読みづらく、来年の国際原油需給が極端にひっ迫化するとは予想されていないこともあり、政策対応を急ぐ必要はないとの認識が維持されているためだ。… … …(記事全文3,902文字)