□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年11月11日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 5か月ぶりの高値を更新した金相場、10月CPIで急伸の理解で良いのかを考える =================================== <10月CPI発表前から始まっていた金相場の急伸> 値動きの鈍さが目立っていた金相場が、突然に大きく値上がりし始めている。COMEX金先物相場は11月3日の1オンス=1,758.50ドルをボトムに、11月10日高値は1,870.60ドルに達している。7月以降は4カ月以上にわたって1,840ドル水準で上値を抑えられる展開が続いていたが、同抵抗線を完全に上抜き、6月15日以来の高値を更新している。 11月10日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)を手掛かりに、インフレの脅威が意識されたことは間違いないだろう。6月消費者物価指数は、総合で前年同月比6.2%上昇(前月は6.4%上昇、市場予測は5.8%上昇)、コアで4.6%上昇(前月は4.0%上昇、市場予測は4.3%上昇)となっており、想定よりも強いインフレ圧力が、投資家のインフレに対する脅威を高めたことが、インフレヘッジとしての金投資ニーズを喚起したと言える。… … …(記事全文4,459文字)