□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年11月10日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== トウモロコシは過去最高のイールド見通しに、南米の生産順調だと上値重い =================================== <収穫トラブル解消で、コーンに戻り売り圧力> CBOTトウモロコシ先物相場は10月13日の1Bu=506.75セントをボトムに11月2日の586.00セントまで切り返していたが、足元では550セント水準まで軟化する展開になっている。10月12日に発表された米農務省(USDA)需給報告で新穀期末在庫見通しが9月報告の14.08億Buから15.00億Buまで一気に0.92億Bu引き上げられたことが、10月中旬にかけてトウモロコシ相場を下押ししていた。500セントの節目割れも現実的な脅威になったが、同水準では農家の在庫売却の動きが鈍かったこともあり、10月末にかけては530~540セント水準までの自立反発局面を迎えていた。 こうした中、価格上昇で農家売り再開からの値下がり再開が想定され易くなっていたが、11月入りと前後して突然に586.00セントまで急伸した動きは、1)小麦相場の急騰に加えて、2)産地天候不順による収穫作業の遅れを反映したものである。本来だと、この時期はハーベスト・プレッシャーが現物市場主導で上値を圧迫するが、11月第一週は産地の一部で天候不順が報告されたことで収穫作業が遅れ、それに伴い農家売りが想定されていた程に膨らまなかったことが、相場を押し上げた格好になる。… … …(記事全文4,481文字)