□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年11月4日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== FOMCでは2022年後半の利上げに含みも、当面はインフレ一過性を前提に =================================== <FOMC後の金相場は堅調> 11月2~3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されたが、マーケットでは全般的にサプライズ感の乏しい内容と評価されている。テーパリング着手が表明されて具体的なスキームも明らかになったが、概ね想定されていた内容と評価されている。米国株はイベントリスクを無難に消化したことからリスクオン傾向を強めたが、米債券市場では若干の金利上昇圧力が確認される値動きに留まっている。為替市場ではドルインデックスが軟化しているが、ドルにネガティブと評価された結果というよりも、ドルにポジティブな材料が見当たらなかった結果として、ドルロングに調整が入ったに過ぎないだろう。 COMEX金先物相場は、3日の取引で1オンス当たり前日比25.50ドル安の1,763.90ドルと急落していた。しかし、引け後の取引ではFOMC後に発生したドル安圧力が好感され、1,770ドル台後半まで10ドル超の切り返しを見せている。当然、米金利上昇圧力を手掛かりにもう一段階の下値模索を打診する選択肢もあったが、米長期金利上昇・ドル高といっても最近の取引レンジ内での動きであり、単純に3日の急落地合に対する修正圧力が働き、明確なトレンド形成を拒否した状態とみるのがだろう。… … …(記事全文3,655文字)