□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年8月20日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== ゴム相場の独歩高が限界を迎える、価格バランスの歪みを是正する動き =================================== <他コモディティ相場に対する逆行高が解消される> JPX天然ゴムRSS先物相場は、7月15日の1㎏=205.30円をボトムに8月19日の230.20円まで急伸していたが、足元では210円台前半まで急反落している。過去1か月のゴム相場を振り返ると、原油や非鉄金属相場に逆行高となる展開が続いており、何かゴム相場に独自の需給引き締め要因が浮上している可能性が警戒されていたが、結果的には投機主導の上昇地合に過ぎなかったことが確認されている。 コモディティ市場では、新型コロナウイルスの感染被害拡大が改めてメインテーマに浮上している。ワクチン接種が進めば日常生活への回帰は可能と見られていたが、より感染力の強い「デルタ株」が猛威を奮う中、想定されていたよりも景気回復が遅れる可能性が浮上していることが、投機マネーの流れに大きな変化をもたらしている。当初は発生源とされるインドに近い南アジア、東南アジア、更にオセアニアなどが感染被害の中心だったが、その後は中国や日本、更には欧米でも感染被害が広がり、特にワクチン接種で感染被害が一服したとみられていた地域でも、新規感染者数が急増していることのショックは大きい。… … …(記事全文3,851文字)