□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年8月16日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== フラッシュ・クラッシュ後の金相場の値崩れが回避された論理 =================================== <中国の現物買いが下値サポート> COMEX金先物相場は8月月初の1オンス=1,817.00ドルから8月9日には1,677.90ドルまで急落して3月31日以来の安値を更新していたが、13日終値では1,778.20ドルまで切り返す展開になっている。6日に発表された7月米雇用統計が極めて強い数値になったことを受けて、改めて金融政策正常化見通しを織り込む形で急落していたが、1,700ドル割れに対しては下げ過ぎとの評価が確立している。その後は短時間で1,700ドル、1,750ドルと節目の価格水準を回復し、1,800ドルの節目まで残り20ドル強の値位置まで反発が続いている。 この間に見られたことは、一つはアジア現物筋の物色意欲の高まりである。8月9日の急落は市場参加者が少ない薄商いの時間で実現した瞬間的な急落、いわゆるフラッシュ・クラッシュと評価されている。雇用統計後の売り圧力が週明けのアジアタイム早朝にも持ち越され、1,750ドル前後の価格水準から断続的に買い玉のストップロスが巻き込まれたことが、1,700ドル割れの急落地合を促した模様だ。しかし、週末6日のアジアタイムには1,800ドル水準で取引されていただけに、週末を挟んで100ドル幅の急落が実現したことで、現物市場の売買が活発化した。… … …(記事全文4,883文字)