□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年7月26日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 自動車部品のサプライチェーンでパンデミック、需要不安を解消できないプラチナ =================================== <年央から地合の悪化が目立つプラチナ相場> NYMEXプラチナ先物相場は1オンス=1,100ドル前後の値位置で上値を抑えられている。今年の最高値は2月16日の1,348.20ドルであり、その後は5月にかけて上げ一服感が強まりながらも1,200ドル前後の値位置を維持していた。しかし、6月に入ると米連邦公開委員会(FOMC)で早期利上げ観測が強まり、貴金属相場全体の値位置が大きく切り下がった影響で、6月21日の1,021.70ドルまで改めて値位置を切り下げている。その後は金相場の自立反発と連動して7月15日の1,145.20ドルまで切り返していたが、足元では再び1,100ドルの節目を大きく下抜き、1,000ドル台中盤から後半での取引になっている。 白金需給の目線では、自動車生産の制約が依然として強い影響が大きい。半導体不足のショックは最近になって始まったものではないが、当初の想定よりも大きな問題との見方が広がっている。コロナ禍からの自動車や家電などの需要回復に加えて、デジタル化やリモートワークなどの普及スピードが従来の延長線上にはない急激なものになったことで、半導体メーカーが増産対応などを進めているものの、需要に十分に対応できない状況が続いている。米インテルのゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は7月22日、4~6月期決算発表において「年後半には(半導体の)供給不足が底を打つと考えている」とする一方、「需要に完全に追いつくには更に1~2年が掛かる」可能性も指摘している。インテルは米国やアイルランドなどで工場建設を進めており、今後もハイレベルの設備投資を行う方針を示しているが、需要の拡大が進む中で、混乱が長期化するリスクが指摘されている。… … …(記事全文3,963文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)