□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年6月30日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米西海岸にヒート・ドーム発生、天然ガス相場が2年半ぶり高値更新した訳 =================================== <熱波で天然ガス需要が増加> 今年は北半球全体で例年よりも夏型の気候になる時期が早く、6月の段階で熱波が報告されている地域も少なくない。日本も梅雨入りの前に最高気温が30度を超える地域がみられたが、米国においては最高気温が40度を超えるような地域も少なくはない。特に西海岸から中南部にかけては深刻な高温状態が続いており、エネルギー需給に対しても大きな影響が生じ始めている。 夏型の気候になると、空調用エネルギー需要が拡大することになる。米国においては、発電用エネルギーとして石炭と並んで天然ガスに対する依存度が高いため、夏場は「気温上昇→空調用電力需要増加→発電用エネルギー需要増加」という比較的単純なフローが発生する傾向にある。ここにおいては、実際の需要や在庫変動で正当化される以上の値動きが発生することも珍しくはなく、一種の「天候相場」ということもできる。需要期の気温動向がエネルギー需要の拡大につながるのか、それとも抑制につながるのか、気象環境や予報に一喜一憂する展開になる。… … …(記事全文3,107文字)
