□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年6月29日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 5月中国工業利益で確認されたインフレ問題、中国コモディティは今後も不安定 =================================== <5月中国工業利益を受けてのコモディティ相場> 中国国家統計局が6月27日に発表した5月の工業部門利益は、前年同月比36.4%増の8,299億元となった。昨年5月はパンデミックからの回復フェーズの序盤だったため大幅な伸び率は維持されているが、3月の92.3%増をピークに4月が57.0%増となり、5月は更に利益の伸びが減速したことが確認できる。1~5月通期だと83.4%増となっているが、こちらも4月の106.1%増から伸びが大幅に鈍化している。 国家統計局はこの数値について、需要が着実に回復し、工業企業の経営状況が引き続き改善していることが、増益の継続に寄与したとの分析を示している。一方で、規模が小さい企業は利益の伸びが見劣りしているとして、回復の不均衡さを指摘している。背景にあるのは原材料価格の高騰、世界的なプライチェーンの混乱であり、金属・化学・石油セクターなどは利益を急激に伸ばしているが、顧客に対して十分に価格転嫁を進めることができない下流部門、そして小規模企業は利益を削る状況にあると分析されている。… … …(記事全文3,669文字)
