□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年6月16日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 過熱感を抱えた原油高が続く、脱炭素戦略と需要回復の狭間で苦しむIEA =================================== <6月は全営業日が高値更新中> 原油相場の高騰が続いている。NYMEX原油先物相場は6月7日に1バレル=70ドルの節目に到達したばかりだが、15日高値は72.49ドルに達している。16日アジアタイムには更に72.83ドルまで上値を切り上げており、6月は1日から全営業日(12営業日)で年初来高値が更新されている。2018年10月以来の高値更新であり、その18年10月高値76.90ドルも上抜くと、いよいよ14年にシェールオイルの大規模増産で原油相場が急落して以来の最高値が更新されることになる。 昨年以降の原油相場は、10ドル単位の節目到達後は持ち高調整を進めて値固めを打診する傾向が目立ったが、70ドルの節目到達後に利食い売りを進める動きは限定されている。14日RSIは6月15日に買われ過ぎを示すとされる70ポイントを超えており、いつ持ち高調整が始まっても不思議ではない状況になっている。ただ、15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)前に金融市場で持ち高調整が進んでも、原油市場では過熱感を抱えた状態で上値追いの展開が続いている。もちろん短期筋から利益確定の売りニーズもあるのだろうが、それ以上に買い遅れのリスクが強く警戒されていることが窺える。… … …(記事全文4,054文字)