□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年6月15日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 6月FOMCで金投資家が注目すべきポイント、織り込み済以上の情報の有無 =================================== <米実質金利環境に大きな動きはなし> COMEX金先物相場は6月1日の1オンス=1,919.20ドルをピークに、その後は2週間にわたって高値更新が見送られており、調整売り優勢の展開になっている。米長期金利は6月入りしてから水準を切り下げる動きを見せているが、その一方でマーケットのインフレに対する期待と警戒が急速に後退していることで、実質金利が再び膠着化しているためだ。 米長期金利は1.5%の節目を下抜き、6月11日には1.428%と3月3日以来の低金利環境を実現している。5月は1.55~1.70%水準で方向性を欠いていたが、6月に入ってから長期金利が水準を切り下げたことには意外感があり、金相場の急伸も十分に正当化できる値動きになった。このタイミングでインフレ期待をさらに高めていくことができれば、実質金利低下から金相場は1,900ドル水準での保ち合い相場から上振れする可能性も十分にあった。仮に5月中旬と同レベルのインフレ期待があれば、実質金利はマイナス1.0%を完全に下抜く計算であり、1月6日に付けた年初来高値1,962.50ドルを試すことも金利環境からは支持できた。… … …(記事全文4,031文字)