□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年6月9日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 暗雲立ち込めるイラン核合意の立て直し、NY原油は終値でも70ドル到達 =================================== <イラン核協議難航か、米国務長官が議会で報告> 6月8日のNYMEX原油先物相場は前日比で0.82ドル高の1バレル=70.05ドルとなった。終値ベースで70ドル台を回復したのは、20189年10月16日以来のことである。原油相場のコアレンジ切り上げを強く印象付ける値動きになっている。70ドル到達で短期的な目標達成感が広がる可能性も想定されていたが、実際には上値切り上げ傾向が維持されており、直近高値は70.62ドルに達している。 きっかけの一つとして指摘されているのが、ブリンケン米国務長官が8日の議会上院歳出委員会の公聴会で行った発言である。同長官はイラン核協議について、「現段階では、イランが核合意の順守に必要なことをする意思があるのかわからない」と述べ、最終合意に向けてイラン側が更に譲歩を示す必要性があるとの認識を示している。更に、「核合意に復帰したとしてもトランプ前政権が発動したものも含め、数百の対イラン制裁は維持する」と述べ、核合意をきっかけに対イラン制裁が全面解除されることはないとの認識を示した。… … …(記事全文3,817文字)