□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年6月1日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 金価格上昇の影で動き始めた現物需要、アジア消費需要と中銀需要に変化あり =================================== <5月の金相場は2カ月連続の上昇に> 5月のCOMEX金先物相場は、前月比で1オンス当たり137.60ドル高となった。4月の52.10ドル高に続いて2カ月連続の上昇になっている。この上昇幅は昨年7月の185.40ドルに次ぐ大きさであり、過去10年でみてもこれを上回る上昇幅は、他に2011年8月の200.50ドル高しか存在しない。5月の金相場環境が、極めて記録的な強気環境になったことが明確に確認できよう。 4月27日と5月25日の大口投機筋のポジションを比較すると、買いが1万7,549枚増の28万8,266枚、売りが2万6,474枚減の7万3,624枚となっている。インフレ懸念の金買いと言われているが、実際には弱気筋の撤退に伴うショートカバー(買い戻し)が金価格上昇の原動力だったことが確認できる。もちろん、先高感から買いポジションを構築する動きもみられるが、5月に関しては金相場が当面の底入れを確認したとの見方から、4月の間は維持されていた売りポジションの解消が加速したことが確認できる。… … …(記事全文4,086文字)