□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年5月28日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 年初来高値を更新した産地ゴム相場、中国の価格統制を乗り越えられるか =================================== <上海ゴムの地合安定化> JPX天然ゴムRSS先物相場は、5月7日の1㎏=262.00円まで上昇した後、14日の241.00円まで急反落していたが、足元では再び250円台まで値位置を切り上げる展開になっている。基本的な理解としては、中国のコモディティ価格統制強化の動きから不安定な値動きを迫られたものの、4月14日の222.50円をボトムとした上昇トレンドが維持されているとの評価で良いだろう。上海ゴム相場は依然として不規則な値動きを強いられているが、産地主導の上昇圧力が維持される中、JPXゴム相場は徐々に上昇トレンドへの回帰を打診するフェーズと言える。 5月は中国政府が目まぐるしい動きを見せた。4月の段階からコモディティ価格の高騰に不満を示していたが、5月に入ってからは明確に政策対応の必要性を訴えている。ここ最近の動きを振り返ると、5月12日に中国国務院が内外コモディティ価格を「監視」して「適切に対処」する方針を打ち出し、19日には更に踏み込んで「需要と供給双方の管理強化」も打ち出した。23日には国家発展改革委員会が会合を開き、金属各社に対して「通常の市場秩序」を維持するように要請した。更に25日には第14次五か年計画にもコモディティ価格に対する統制強化を盛り込み、金属のみならずエネルギーや農産物まで含めて、市場秩序の維持を打ち出している。… … …(記事全文3,389文字)