□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年5月26日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== インフレヘッジの金を再評価する地合、売り材料の買い材料転換が進む =================================== <1,800ドルに続いて1,900ドル突破> COMEX金先物相場は、5月6日に1オンス=1,800ドルを突破したが、その僅か13営業日後となる25日には早くも1,900ドル台に乗せた。17日に長期トレンドラインとして重視される200日移動平均線を突破したが、1月8日以来の高値を更新している。今年最高値は1月6日の1,962.50ドルであり、V字型の切り返しが続いている。2,000ドル台となると昨年9月1日が最後になるが、現在の上昇ペースが維持されると6月中旬にも2,000ドルが実現する可能性を想定しておく必要性が浮上している。 金市場の主要テーマは一貫して、実質金利環境である。実質金利から金保有の機会コストが評価されており、実質金利が上昇すれば売られ、逆に実質金利がすれば買われる傾向にある。実質金利が動いているとはいえ、今年は10年債をベースにすると一貫してマイナス金利環境にあり、金相場を取り巻く環境は何れにしても強気との評価も可能である。ただ、現実問題としては実質金利を見ながら金市場におけるポジションを調整する動きが目立ち、4月、そして5月の金相場の堅調地合に関しては、大部分が実質金利の動きで説明がつく。… … …(記事全文4,014文字)