□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年5月25日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== イラン産原油の市場復帰は消化可能、上昇基調が維持される論理 =================================== <イラン大統領選前に賭けに出た核協議立て直し> イラン核合意を巡る動向が原油市場でも注目を集めている。米国とイランとの間では、4月上旬から「イランの核開発制限」と「米国の制裁解除」が平行して協議されている。直接対話を行える状況にはないことで、他の核合意当事国の立ち合いの下で間接協議が行われている。米国はトランプ前政権下で核合意から離脱して対イラン制裁を再開・追加したが、これに対してイランは核開発の着手再開の形で対抗している。核・ミサイル開発の脅威を黙認できなくなった米国と、制裁による経済の疲弊に耐えられなくなったイランとが、米国でトランプ政権が終わったタイミングもあり、事態打開に向けて協議を行っている。 基本的には核合意が成立していた当時の状況に戻す方向性が目指されているが、トランプ政権下ではイランに対してテロ組織支援などを理由に大量の追加制裁が科せられているだけに、どのラインで線引きを行うのか、交渉は難航している。イラン側としては全ての制裁解除を求めているが、米国側としては核の問題と関係のない分野の制裁解除には消極的であり、詰めの協議が行われている。5月19日に続いて25日にも新たな間接協議開催が予定されており、成果を得られるのかが問われることになる。… … …(記事全文3,393文字)