□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年3月30日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 大型インフラ投資計画発表を控えるも、金相場が債務問題に反応しない問題について =================================== <大型インフラ投資の実現に向かう> バイデン米大統領は3月31日、東部ペンシルバニア州ピッツバーグを訪問して、経済政策について演説する予定になっている。ピッツバーグは、自動車や鉄鋼、造船などの製造業が集中するラストベルト(Rust Belt=錆びた工業地帯)の代表都市であり、昨年の大統領選挙では激戦を制して僅差でバイデン氏が勝利している。2016年の大統領選挙では、中国などとの競合激化で職を失った白人労働者がトランプ氏を僅差で支持したが、今回はバイデン氏を同じく僅差であるが支持した。バイデン大統領は2月25日に就任後最初の公式記者会見を行ったが、新たな経済政策を発表する場としてピッツバーグを選択したことからは、ラストベルトの「さび(rust)」を取り除く政策に強い意志を有していることが窺える。 実際にどのような内容の発表が行われるのかは明らかにされていないが、新たな経済政策の二本柱の一つが発表される予定になっている。まずはインフラ投資計画を発表し、4月後半に育児や医療分野の支援策を打ち出すことで、選挙公約の「ビルド・バック・ベター(Build Back Better=より良い復興)」が目指されることになる。この「ビルド・バック・ベター」は通常だと災害からの復興などで用いられる言葉だが、バイデン大統領は新型コロナウイルス対策、人種差別問題、国際政治関係などトランプ政権下の政策を見直すことに力を入れており、老朽化したインフラ再構築と同時に、選挙公約である4年間で2兆ドルの環境インフラ投資についての投資についても発表が行われる見通しだ。… … …(記事全文3,492文字)