□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年3月24日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 欧州パンデミック第3波で原油相場が急落、基調転換か調整安かの論点 =================================== <欧州の需要不安を織り込む原油相場> NYMEX原油先物相場は3月8日高値が1バレル=67.98ドルだったのに対して、足元では60ドルの節目を割り込む展開になっている。23日の安値は57.25ドルであり、2月8日以来となる約1か月半ぶりの安値を更新している。石油輸出国機構(OPEC)プラスの4月産油量の減速据え置き発表を受けての買いが一巡し、短期的な過熱感や買い材料の出尽くし感が意識されるタイミングで、欧州のパンデミック第3波の発生が警戒されている結果である。これまで目立った調整局面がみられなかったこともあり、短期筋の利食い売りが先行する展開になっている。 原油市場においてパンデミックが重大な関心事であることに変化はない。製造業分野はパンデミックの影響を受けない傾向が強くなっているが、市民の外出が抑制されれば輸送用エネルギー需要は抑制され、原油需給リバランスの進展ペースにも遅れが生じることになるためだ。欧州では国毎に状況が異なるが、3~4月が第1波とすれば、10~11月が第2波となり、3月入りしてから第3波が発生している可能性が高い。… … …(記事全文3,762文字)