□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2020年5月25日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 金需要の地域間格差が拡大、アジア実需の低迷を相殺する欧米投資需要 =================================== <アジア実需の落ち込みが顕著> 金市場において、アジア地区(特に中国とインド)の消費需要動向は極めて大きな意味を持つ。宝飾と地金投資需要を合計した消費需要(consumer demand)は、2019年実績で金総需要の約7割をカバーしているが、中国とインドがその半分を占めていることで、両国が金を購入しているか否かは、金需要全体のトレンドに大きな影響力を有しているためだ。 しかし、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が発表した1~3月期のデータでは、両国の金需要は大幅な減少圧力に晒されている。中国は前年同期の254.8トンに対して101.1トンであり、60%減少している。また、インドは前年同期の159.0トンに対して101.9トンであり、こちらは36%減少している。新型コロナウイルスがもたらした経済環境・投資環境の不安定化が1~3月期の金価格を強力にサポートしたが、インドと中国は寧ろ金購入量を削減しているのだ。… … …(記事全文3,619文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)