□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2020年1月9日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 地政学リスク緩和でも下げづらい金相場、低金利と原油高で低迷続く実質金利 =================================== <急騰後に急反落した金と原油> 中東の地政学リスクであるが、漸く鎮静化の兆候が見受けられる状況になっている。1月3日に米軍がイランのソレイマニ司令官を殺害したことに対する報復として、イランは8日にイラク国内の米軍基地2か所を攻撃した。かねてから予告されていた「報復」が実行に移された格好であり、マーケットには緊張感が広がった。しかし、その後は米国とイランがともに軍事対立のエスカレートを望んでいないスタンスを示唆したことで、リスクオフ圧力にはブレーキが掛かり始めている。 例えば、COMEX金先物相場は1月7日終値の1オンス=1,574.30ドルに対して、8日のアジアタイムには一時1,613.30ドル(前日比39.00ドル高)まで急伸していた。しかし、欧米タイムには急速に上げ幅を削り、一時は1,553.90ドル(同20.40ドル安)まで値下りするなど、急落地合に転じている。終値時点では前日比14.10ドル安の1,560.20ドルとなっているが、11営業日ぶりに上昇が途絶えている。1日の値幅は59.40ドルにも達している。… … …(記事全文4,462文字)