□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2020年1月7日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 地政学リスクを消化する原油相場、供給「障害」と供給「不安」で見通し変わる =================================== <米国もイランも退路を断っている> NYMEX原油先物相場は、年初の1バレル=61.60ドルから1月6日の高値64.72ドルまで急伸したが、足元では63ドル水準まで上げ幅を削る展開になっている。米国とイランとの対立激化に伴う地政学リスクを織り込む形で昨年4月30日以来となる約8カ月ぶりの高値を更新しているが、65ドルの節目を前に上げ一服となっている。これから中東情勢がどのような展開を見せるのか先読みは難しいが、現時点での焦点は原油の供給「障害」ではなく供給「不安」とあって、思惑先行型の不安定な値動きが続き易い。 1月3日に米国防省はイランの革命防衛隊精鋭部隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害し、イランは報復を行うと宣言している。イラン国内では、報復が「ジハード(聖戦)」と位置づけられ、報復が神に誓われている。イスラム教の一般的な考え方に基づけば、「目には目を、歯には歯を」に象徴される同害報復(キサース)が基本になり、しかも神に報復が誓われている以上、報復は必ず行われることになる。ソレイマニ司令官の殺害に相当する報復がどのようなものになるのかは不透明だが、必ず報復は行われることになる。… … …(記事全文3,684文字)