□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年12月17日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== パーム油と大豆油が同時に急伸中、原油価格上昇を予告しているとの議論 =================================== <原油に先行して動く傾向がある植物油> 原油相場のトレンドを考えるに際して、植物油相場の動向が参考になることは、あまり知られていないかもしれない。通常、原油相場の分析においては原油の需要・供給・在庫のバランスが重視される。しかし、こうした原油需給の議論とは別に、植物油相場の動向も、原油相場の行方に大きな影響を及ぼす傾向があるのだ。しかも、一般的に「植物油相場は原油相場に先行して動く」傾向が見受けられ、植物油相場がどのようなトレンドを形成しているのかは、原油市場にとっても無視できない重要な指標になると考えている。 例えば、代表的な植物油の一つに大豆油が存在する。CBOT大豆油先物相場は2012年後半から急落傾向を強め、15年後半にかけて1ポンド=50セント台中盤から27セント水準まで、3年で約45%の急落地合を形成している。一方、NYMEX原油先物相場は大豆油が崩れ始めた後も1バレル=100ドル前後の値位置を14年後半まで維持していたが、その後は大豆油相場の急落を後追いするような急落地合になり、16年上期には30ドル台前半まで値下りしてる。… … …(記事全文3,695文字)