□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年12月10日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 「金が売られたボルカー時代」と「金が買われるパウエル時代」 =================================== <ボルカー時代の金価格は急伸・急落していた> 1979年8月から87年8月まで8年間にわたって米連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めたポール・ボルカー氏が12月8日、92歳で死去した。ボルカー氏は恐らく最も厳しい困難を抱えた政治経済環境でFRB議長に就任しており、そしてその困難を乗り切ったことが今なお高く評価されている。危機の際にFRB議長の要職にあったため、個別政策では後世にそれがベストだったのか疑問視されるような点も多かったが、就任期間全体を通じてみると、最終的に米経済を危機から救ったことは間違いない。 2008年の世界同時金融危機の際には、オバマ政権における大統領経済回復諮問委員会委員長に就任し、「ボルカー・ルール」と呼ばれる銀行規制を導入することで、金融機関発の危機再発の封じ込めを巡る政策策定にも大きな貢献がみられている。… … …(記事全文3,739文字)