□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年11月20日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== FRBのバランスシート拡張が進む、株高でも金価格が底固い一因か =================================== <FRBの金利政策は一巡している> 米連邦準備制度理事会(FRB)は7~9月にかけて3度にわたる利下げを実施し、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は2.25~2.50%から1.50~1.75%まで合計で0.75%引き下げられている。米中貿易戦争が米実体経済に下振れリスクをもたらす不確実性が浮上する中、予防的観点から利下げ対応が実施された。一方で、この予防的利下げは十分な成果を上げたと評価されており、FRBの金利政策に関しては様子見に移行し始めている。米中通商協議の「第一段の合意」が見通せる状況になっていること、米実体経済が一定の底固さを見せていることもあり、過去3回の利下げ効果を見極めるだけの余裕が生じている。 パウエルFRB議長は、現在の金融政策について適切との認識を示し、予見可能な将来においては、政策変更の必要性は乏しいと考えていることを強く示唆している。予防的利下げの役割は終わった一方、景気過熱化の見通しが乏しい中で利上げ政策への転換は求められておらず、金融政策の働き掛けは不要との見方になる。… … …(記事全文4,098文字)