□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年11月15日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 産地相場を無視した東京ゴム期先の急伸、当限が本来の価格動向 =================================== <急伸続くゴム相場、他市場とのバランス崩れる> 東京商品取引所(TOCOM)天然ゴム先物相場の上昇が止まらない。10月3日の1㎏=154.30円をボトムに、11月15日の取引では一時184.00円まで値上りしている。約1カ月半で29.70円(19.2%)の急伸相場となっており、7月29日以来の高値を更新している。ただ、こうした値動きに対しては、投機色の強さが否めない。 当初は米中通商合意への期待感が、投資家のリスク選好性を高め、株価やコモディティ相場が全面高の展開になる中で、ゴム相場も上昇傾向を強めた。米中通商合意が実現すれば、少なくとも世界経済見通しに対する不確実性が緩和されるのは確実であり、米国株の過去最高値更新といった分かり易い動きも、ゴム相場を支援した。しかし、その後は米中通商協議の不透明感が蒸し返され、株価やコモディティ相場の上昇が止まり、一部では反落傾向が強まる中でも、ゴム相場のみが上昇を続けている。これは「独歩高」とも言える値動きであり、他マーケットとのバランスが取れていない。… … …(記事全文3,660文字)