□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年11月11日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== VIX先物の投機売り過熱感、ボラティリティ・ショックへの備えとしての金投資 =================================== <リスク資産買い・安全資産売り> 米中通商合意への期待感から投資家の選好性が高まり、米国株が連日の過去最高値更新となるなど、リスクオン傾向が強くなっている。米連邦準備制度理事会(FRB)は10月29~30日の会合で利下げサイクルの当面の休止を強く示唆したが、歴史的低金利環境のリスク資産に対する支援は続いており、株式市場に対するショックは限定された。FRBは今年3度にわたって、景気の不確実性に対応するための「予防的利下げ」に踏み切ったが、米経済が一定の底固さを維持する中にあって、マーケットでは必要以上に金融緩和策を強化したのではないかとの警戒感も強い。 2019年の世界経済における最大の論点の一つが米中貿易摩擦であることは間違いない。米中両国が段階的に制裁・報復関税を引き上げたことは、両国間のサプライチェーンに混乱をもたらすのみならず、企業や家計部門に不必要なコスト増を迫っており、自由貿易システム、国際分業のメリットを自ら放棄するような動きは、世界経済に対して大きな下振れリスクと不透明感をもたらした。… … …(記事全文4,206文字)